11.紫の雨③

ゲイリーの読み書きの上達とともに、マリアのボクシングの 腕も上がって行く

2人にとってこの二つの習慣はなくてはならない事になっていた

「なあ、マリア一つ教えてくれねえか。嫌なら話さなくてもいいよ」

「…?」

「なんでそんなに熱心にボクシングをするんだ?」

「自衛のためよ」

「私いままで付き合ってきた男たちに嫉妬とかプライドとか

わけのわからない理由で殴られて…それがイヤでたまらなかったの」

「……」

「だから最初、あんたにも随分警戒してたんだ。けどその熱心に

勉強する 姿みてたら大丈夫かなって。」